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医者になるまでの流れ
今日から本当に医師!

医師への最後の関門、国家試験と研修医について知りたい!

無事医学部を卒業した秀一に待っていたのは、医師国家試験と病院での2年間の研修期間。この2つをクリアしなければ、1人前の医者にはなれないのだ。特に過酷なのが、研修医時代。睡眠時間も確保できない激務をこなしながら、医者に欠かせない実践力やチームワーク、コミュニケーション力を養っていく。秀一ははたしてクリアできるのか…?

医学部を卒業したら

医学部受験、6年間の医学部生活と、大変な毎日を送ってきたあなた。本当にお疲れ様です!いよいよ医者デビューが近づいてきました。

クライマックスに待っているのは、医師国家試験と研修医という2つの壁。これをクリアして、ようやく一人前の医師として活動することができます。国家試験は医学部卒業が必須条件。卒業と同時に医師免許を取得する人がほとんどです。免許を取って卒業すれば、2年間の研修医生活が待っています。この2つをクリアして、ようやく1人前の医師として認定されます。

医師国家試験ってどんなもの?

医師国家試験は毎年2月中旬に行われる試験で、これに合格して医師免許を取得しない限り、医療行為を行うことはできません。医学部受験は超難関で知られますが、医師国家免許に関しては受験者の9割が合格するといわれ、司法試験など他の国家試験に比べて圧倒的に合格率が高いことで知られます。

ただし、受験するためには医学部卒業が必須とされているため、実質的には難関の医学部を突破し、6年間にわたる膨大な知識と実習経験を身につけた集大成ともいえる存在。医学部生活の集大成として6年間の全てをつぎ込んでのぞみたいところです。

試験は3日間にわたって実施され、一般問題、医学総論医学各論、臨床実地問題などトータル500問もの問題が出題されます。医学に関するすべてが出題範囲となりますので、一夜漬けではとてもできません。6年間コツコツ積み上げた結果の合格ですので、日々の勉強がイコール受験対策となります。

合否発表については試験の1ヶ月後となる毎年3月中旬頃に管轄の厚生労働省ホームページ等で発表されます。

過酷な研修医はタフでなければならない

医師免許を取れば、医師として独り立ちできるわけではなく、2年間の研修期間が義務付けられています。研修医とは、いわゆる医者の見習い期間。この間にさまざまな診察科を経験し、最終的に専攻する科を絞り込んでいくことになります。

研修医は別名「レジデント」と呼ばれます。レジデントとは英語で「住み込み」という意味。つまり住み込むほど献身的に働くことで、医者としての素養を身に付ける期間だということです。

初期研修と後期研修で違いはありますが、基本的に研修医は「医者の卵」ですから、多くの業務を担当して経験を積むことになります。誰よりも早く病院へきてカンファレンス、病棟回診、カルテの記入、勉強会出席など、1日中さまざまな業務をこなします。月に数日は当直もあり、急患が入ると研修医がまず患者への問診や応急処置などを担当することになり、緊張の日々が続きます。

研修医生活は激務のひとこと。体力だけでなく精神的にも追い詰められる人も少なくありません。また家族がいる人は家庭生活に影響も出かねないので、タフな精神力と家族の協力を支えに乗り切りましょう。

各大学の国家試験合格状況を紹介

国立大学

医師になるための第一歩、医師国家試験。各国立大学の医師国家試験合格率は、次の通りです。

北海道・東北

大学 総数 新卒 既卒
北海道 86.3 89.5 60.0
旭川医科 93.6 97.0 60.0
弘前 90.1 92.6 68.3
東北 94.2 96.8 63.6
秋田 91.7 94.7 61.5
山形 91.4 93.2 57.1

(単位:%)

関東・甲信越

大学 総数 新卒 既卒
筑波 94.3 95.0 50.0
群馬 87.6 91.1 53.8
千葉 93.5 95.0 71.4
東京 90.0 93.3 66.7
東京医科歯科 95.3 97.1 60.0
新潟 89.5 94.5 50.0
山梨 91.9 93.6 76.9
信州 94.2 97.2 63.6

(単位:%)

東海・北陸

大学 総数 新卒 既卒
富山 89.4 93.2 50.0
金沢 96.0 96.7 80.0
福井 88.2 91.4 54.5
岐阜 91.8 95.3 68.8
浜松医科 96.0 97.5 66.7
名古屋 91.1 97.3 33.3
三重 95.6 96.9 75.0

(単位:%)

近畿

大学 総数 新卒 既卒
滋賀医科 92.9 95.4 77.8
京都 93.3 97.3 44.4
大阪 89.8 93.4 16.7
神戸 91.4 95.6 57.1

(単位:%)

中・四国

大学 総数 新卒 既卒
鳥取 91.5 97.0 14.3
島根 89.2 92.0 42.9
岡山 94.3 98.2 50.0
広島 92.0 94.3 62.5
山口 91.0 95.7 56.3
徳島 88.1 90.7 60.0
香川 88.1 89.5 76.9
愛媛 92.9 93.8 84.6
高知 90.6 95.2 53.6

(単位:%)

九州・沖縄

大学 総数 新卒 既卒
九州 89.9 93.0 55.6
佐賀 94.9 95.7 75.0
長崎 87.8 90.5 60.0
熊本 89.6 96.2 55.0
大分 90.7 95.5 61.1
宮崎 87.2 89.2 69.2
鹿児島 90.0 95.6 52.9
琉球 89.1 91.4 69.2

(単位:%)

新卒の合格率が高い傾向にあり、総数の合格率を押し上げている結果となっています。

総数の合格率が最も高かったのは、96%の金沢大学と浜松医科大学。それぞれの大学にはどのような特徴があるのか、医学部ではどのようなカリキュラムを実施しているのか、気になるポイントを次の項目で詳しく説明します。

合格率同率1位金沢大学の特徴

金沢大学医学類(医学部)は1949年、明治時代に設置された「旧制六医科大」の一つ。140年以上の伝統と歴史を持つ学部です。論文の発表数は全国トップレベルと言われ、脊髄移植において数多くの実績があります。

金沢大学医学類が目指すのは以下の条件を持つ医師を育てること。

  • 医学に対する興味・幅広い教養・豊かな感性・人間性への深い洞察力を持つ
  • コミュニケーション能力がある
  • 患者中心の医療ができる

カリキュラムは1年次から2年次の間に共通教育科目を学び、2年次からは基礎医学の専門科目を履修します。3年次には研究室に配属されて研究活動も。3年次から4年次にかけては臨床医学の講義を履修して、5、6年次で臨床の実習を行います。そのほかMRT(Medical Research Training)プログラムと呼ばれる制度によって、ゼミや論文講読会、各研究室の研究に参加することが可能です。

合格率同率1位浜松医科大学の特徴

人々の健康と福祉を支える浜松医科大学が掲げる理念は以下の3点。

  • 優れた臨床医・独創力に富む研究者を養成すること
  • 新しく独創的な医療技術の開発を推進すること
  • 患者を第一とする診療を行い地域医療に貢献すること

大学の理念を受け、医学部では研究心を育成し、人間性・倫理性を養い、国際感覚やコミュニケーション能力を身に着けるための教育を目指しています。

優れた医学研究者や臨床医を育成するため、カリキュラムは教養教育・基礎医学教育・臨床医学教育を統合。臨床実習や体験学習を通して知識と臨床技能の習得を行います。6年間一貫らせん型カリキュラムによって知識と技能を積み重ね、医療人としてのプロフェッショナリズム(医師としての有り様)を磨きます。

公立大学

各公立大学の医師国家試験合格率は次の通りです。

九州・沖縄

大学 総数 新卒 既卒
札幌医科 93.3 93.6 90.0
福島県立医科 95.4 98.0 66.7
横浜市立 97.7 97.6 100.0
名古屋市立 93.8 95.7 50.0
京都府立医科 85.0 87.7 64.8
大阪市立 95.3 96.9 80.0
奈良県立医科 92.9 99.1 57.9
和歌山県立医科 94.8 95.4 85.7

(単位:%)

横浜市立大学が新卒・既卒共に高い合格率となっています。注目の横浜市立大学とはどのような大学なのか、次の項目でもう少し詳しく説明しましょう。

合格率1位横浜市立大学の特徴

明治時代、横浜商法学校から始まった横浜市立大学。開放的で国際性に富んだ学風は、横浜市立大学の伝統として脈々と受け継がれています。広い視野を身に着けるために、すべての学生が1年次に共通教養を受講、基礎となる知識や考え方を学びます。英語によるコミュニケーション力を磨くための少人数制のゼミや、様々な分野の教授たちによる領域横断型プログラムなど、幅広い知識の中で専門性を高める工夫も。

その中でも医学部は、国内外で広く活躍する医療系の人材育成と、創造的な研究の発展を目指したカリキュラムを設定しています。

2年次以降の医学科専門教育科目では、文部科学省が提言するガイドラインに沿ってカリキュラムが進行。4年次までに基礎から臨床までの講義を履修し、知識レベルを評価するCBT試験、技能や態度を評価するOSCE試験を受験します。合格しなければそのあとの臨床実習へ進むことができません。付属病院と付属市民総合医療センターでの臨床実習が終わり、卒業試験を合格すると、晴れて卒業が認められます。

私立大学

各私立大学の医師国家試験合格率は次の通りです。

北海道・東北

大学 総数 新卒 既卒
岩手医科 77.3 81.7 59.4

(単位:%)

関東・甲信越

大学 総数 新卒 既卒
自治医科 99.2 99.2 -
獨協医科 83.6 83.6 83.3
埼玉医科 87.2 87.6 85.7
北里 93.2 94.5 75.0
杏林 96.4 98.4 78.6
慶應義塾 96.6 100.0 33.3
順天堂 96.9 97.6 80.0
昭和 93.3 100.0 55.6
帝京 84.2 91.1 55.6
東海 84.6 84.4 85.7
東京医科 96.4 97.1 83.3
東京慈恵会医科 95.9 97.4 71.4
東京女子医科 92.2 93.2 83.3
東邦 96.3 97.1 83.3
日本 92.7 96.4 58.3
日本医科 87.4 89.5 77.3
聖マリアンナ医科 93.2 96.1 75.0

(単位:%)

東海・北陸

大学 総数 新卒 既卒
金沢医科 80.2 82.9 65.0
愛知医科 90.7 95.4 66.7
藤田保健衛生 88.2 91.7 54.5

(単位:%)

近畿

大学 総数 新卒 既卒
大阪医科 93.3 99.1 69.2
関西医科 91.4 93.3 81.0
近畿 89.6 95.1 46.2
兵庫医科 97.5 97.2 100.0

(単位:%)

中・四国

大学 総数 新卒 既卒
川崎医科 86.9 89.0 69.2

(単位:%)

九州・沖縄

大学 総数 新卒 既卒
産業医科 94.0 96.3 75.0
久留米 83.3 82.7 86.4
福岡 82.1 83.0 78.3

(単位:%)

総数の合格率は、自治医科大学の99.2%が最も高い結果となりました。多くの私立大学がある中、自治医科大学はどのような点が魅力なのか、次の項目で詳しく説明します。

合格率1位自治医科大学の特徴

自治医科大学は、医療に恵まれない遠隔地への医療提供と地域住民の福祉増進を目的として、1972年に全国の都道府県が共同で設立した大学です。

中でも医学部は、医師として高い倫理性と豊富な知識、総合的な臨床能力を備えた人材の育成に注力。医学部の6年間を通して、進歩を続ける医学を貪欲に吸収する姿勢、医療に恵まれない地域でリーダーシップをとれるような知識と資質を磨き上げます。

医学部のカリキュラムは臨床医学を重視した授業で、1年次では医学生としてふさわしい生活態度や教育の基礎を身につけることからスタート。2年次では専門医学について理解を深めることが要求されます。3年次では臨床に関する講義が中心となり、4年次の臨床実習に向けて準備。4~5年次では各科を周り実習が行われます。5年次には出身地域で2週間の地域医療実習も。6年次までに長期の臨床教育を行うのが、自治医科大学の特徴と言えます。

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