受験生の親世代の受験とは大きく様変わりしている最近の大学受験では、年々入試スケジュールが非常に複雑化しているのが現状です。特に私立大は公募入試、AO入試、一般入試とタイプによって出願・受験日にばらつきがあり、受験日程も大学によってかなりの幅があります。また一般入試でもセンター試験利用の場合と大学独自の1次試験を実施する場合があり、受験日程によってどこの大学を併願するか、どの教科を強化するかといったスケジュールを戦略的に考える必要があります。
私立医学部合格までに必要な勉強時間
国公立大学の医学部は、全大学の中で偏差値・難易度ランキングの上位に入るほど難関中の難関として知られています。それに比べると私立大の医学部はまだ易しいといえるかもしれませんが、それでも私立で最も偏差値が低い医学部でも偏差値60以上、最も高い医学部で70前後が合格レベルといわれていますから、そう簡単には合格できない難関受験であることに間違いありません。
医学部受験に必要な勉強時間の目安としてよく言われるのが「私立医大は年間1,000時間」というもの。これは現役生が授業以外でできる家庭内学習の時間で、高卒生の場合は2,000~3,000時間の勉強時間を確保するくらいの意気込みがなければ、医学部合格は難しいといえます。
ただし、医学部受験はやみくもに勉強すればいいというものではありません。特に私立の場合は大学によって受験日程や出題傾向にばらつきが大きいため、志望校の特色を把握した上で戦略的に勉強を進めることで、必要な学力を無駄なく強化することが大切です。
私立医学部の受験は日程に注意!
私立大学の一般入試は国公立と違って受験日程を独自に決めることができるため、1次・2次試験ともに日程に幅があるのが特徴です。例えば2016年度の1次入試の日程は、最も早い大学で1月19日の愛知医科大、最も遅い大学で3月10日の大阪医科大(後期)と、実に2ヶ月間にわたって実施されます。センター試験利用の私立大学の場合は1月16・17日が試験日となります。
私立大医学部は全国に29校あり、1月19日から2月6日頃まで、ほぼ毎日入試が行われます。また毎年数校の入試日が重なる日があり、2016年度は10日もあります。複数受験する場合は入試日が重なっていないか、連続受験で集中力が落ちないか、受験会場が離れていて移動が大変でないかなど、入試スケジュールを十分に注意しましょう。
受験は1校受けるだけでも、かなりの体力を消耗します。連続して受験する場合は4日をめどに考え、それ以上はいったん1、2日のブランクをおくようにスケジュールを組むようにしたいところ。ちなみに人気の高い大学の入試日が連続した場合、人気校に受験者が集中するぶん偏差値が低い大学の受験者数が減るケースがあります。入試日程を考えながら、志望校を調整することで合格率が高まる可能性もじゅうぶんありますので、受験日程とにらめっこしながら合格率が上がる大学を探すといいでしょう。
受験日までの勉強スケジュール
私立大医学部の受験は11月に行われる推薦入試に始まり、3月下旬の一般入試後期日程まで、およそ5ヶ月にわたって実施されます。上に紹介した通り、私立が大学ごとに受験日程がバラバラなので、入試スケジュールにふりまわされないよう計画的に勉強を進めていく必要があります。
春から6月までは基礎力強化の時期。優先的に取り組みたいのは、一度知識が身に着くとずっと学力をキープできる英語と数学、合否を分ける理科です。特に私立大の場合、理科は難関校を除けば高難度の問題より標準問題が多数出題される傾向があります。それはつまり、ケアレスミスや勉強不足によるわずかな点差が合否を分ける危険性が高いということ。死角を作らずまんべんなく勉強しておきたいところです。
また医学部は理系科目を得意とする受験生が多く、英語で得点を稼げるとライバルを大きく引き離すことができます。その他の科目も夏までに一通りの基礎固めを済ませておきましょう。
7月~8月の夏休み時期は弱点やニガテはこの時期につぶしておくこと。9月に入る頃には一度志望校の過去問を解いて、自分のレベルチェックをしておきましょう。合格レベルまでもっていくには何を強化すべきかを検討し、10~11月は強化が必要な単元を集中的に学習。12月に入ったら、志望対策に的を絞って過去問や類題を繰り返し解き、着実に点を積み上げられるように追い込みます。
1次対策の小論文と面接は受験直前まで後回しにしがちですが、簡潔な言葉で自分の意見を的確に表すためには訓練が欠かせません。春の余裕があるうちにスタートし、受験までの間に少しずつ鍛えておくといいでしょう。
毎日最低10時間の勉強時間を確保
私立の医学部へ受験するまでの勉強時間は、最低でも1日10時間は確保しておくようにしましょう。
勉強を開始するタイミングは個人によりますが、早い方は約1年前の3月から約10時間の勉強を始めています。8時間ほどで終わる日、17時間勉強を続けた方もいました。夏期講習が始まる7月、8月も時間は変わりません。12月の追い込み時期はほとんど毎日10時間以上の勉強時間となっています。
医学部を受験するからといってこのような勉強をしていくのではありません。理学部を受ける方でさえ同じように平均10時間は勉強しています。
勉強は時間だけではなく、内容も重視するべきでしょう。ですがベースとして、どれだけの時間を勉強にあてられたかも合格までの重要なポイントといえます。
「勉強しない日」を作らない
1日の勉強時間を最低10時間ほどこなしている方のほとんどは、勉強する日にインターバルを設けることはありません。受験の日までほぼ毎日勉強し続けています。休んでいる時間はほとんどないと考えてよいでしょう。
勉強を毎日、しかも最低10時間続けることが合格に導かれる条件なのかと言われると、必ずしもそうではないといえるでしょう。なかには毎日5~6時間の勉強で大学に受かる方もいるはずです。しかし私立大学の医学部合格者は、大半がこれだけの勉強時間を費やしてきています。これだけの時間を費やして勉強してきたという過去は、これから受験を控えている方にとっても大きな自信となってくれるはずです。インターバルも時々は必要ですが、できるだけ毎日を勉強に費やせるようにしましょう。
忍耐強く勉強する人だけが合格できる
私立大学の医学部を受験するのに大事なのは、毎日10時間勉強することというシンプルなことではありません。勉強する環境が整っていない場合、最初から10時間勉強し続けることは難しいでしょう。ですがそれで自分自身を責めることはありません。
受験勉強の期間はこれまで感じていた自分の限界だけでなく、今まで変わらず続けてきたことや常識などをどんどん塗り替えていく時期にもなります。そのなかで、自分が課題としてきたことをあきらめずに挑戦し続けられるかが問題なのです。1日10時間の勉強が何度かできなくても、自分の限界だと思っていた時間を過ぎて勉強できたらよしとしましょう。それから毎日、忍耐強く勉強し続けることが大事です。受験勉強はあきらめずに続けられた方に対して、どんどん有利になっていくということを意識していきましょう。
3000時間をどのように過ごすか
4月から勉強を始めた場合、センター試験までの日数は300日ほどと言われています。毎日10時間勉強するとしたら3000時間が確保でき、最高で3500時間を勉強にあてることも無理なことではありません。
問題は、その時間を「3000時間もある」ととるか、「3000時間しかない」ととるかです。
3000時間をフルに使うほどの勉強量をこなすことは受験するうえで大事なことです。次は、フルでこなしつつもどれだけの質を高められるかがポイントになってきます。今まで覚えられなかった単語を時間内に覚える、国語で理解できなかった文章読解を攻略するといったように、合格するまでに課題をクリアしていけたかを振り返ってみましょう。このような環境づくりは自身の生活習慣、メンタルとすべてが関わってきます。受験までの3000時間もの間、有意義で無駄のない勉強を積み上げていきましょう。
「昨日より前へ」を実践する
受験勉強をする際には、昨日より今日の自分がレベルアップしていることも意識しましょう。
勉強時間を最初から10時間も確保することに難しさを感じている方が多いかもしれません。なかには1~2時間で勉強をストップせざるを得ない方、限界を迎えてしまう方もいることでしょう。だからといって、勉強時間の確保をあきらめることはないのです。
10時間の勉強時間を確保する環境を作り出すのは自分自身。昨日より今日、今日より明日の自分がどんどん勉強を続けていけば、最長10時間、センター試験までの3000時間を確保するのは難しいことではないといえます。なので、今の時点で長時間勉強できないことを嘆く必要はありません。そこで「やりきった」と満足せず、常に向上心を持って勉強を続けましょう。
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