私立大学医学部を受験する場合、競争率以上に学費が気になる人も多いはず。医学部は他学部と違って6年制のため、国立私立問わず学費が高くなりますが、特に私立医学部は高額な学費で知られ、私立に進学するには6年間学業に専念できる経済力が大前提となります。全国29校のうち、最も安い大学で6年間の学費総額は2,000万円以上。最も高い大学では、なんと4,500万円以上にのぼります。全国の私立大学医学部の気になる学費一覧や、在校生が利用できる奨学金制度など、気になる私立医学部のおカネ事情を紹介します。
私立医学部の学費と利用可能な学費支援(奨学金)
私立医学部が全国に29校ありますが、そのうち最も学費が安いのが東京都にある順天堂大学。入学金が200万円、授業料が初年度年間70万円、次年度以降200万円、施設設備費20万円、次年度以降86万円、教育充実費が2年次以降年間72万円となり、6年間の学費総計は2,080万円となります。
逆に最も学費が高いのが神奈川県にある川崎医科大学。入学金が200万円、年間授業料が200万円、教育充実費が初年度年間650万円、次年度以降年間500万円。6年間の学費総計は4,550万円となり、最安の順天堂大学の2倍以上、国立大と比べると実に10倍以上!これに書籍代や下宿代、交通費などの経費が上乗せされるのですから、よほど裕福な家庭でなければ進学することはできないでしょう。
国や地方自治体から多額の補助がある国公立と違い、私立は莫大な設備費や人件費を附属病院の収益と学費でまかなうため、どうしても学費が高額になってしまいますが、各私立大学では大学独自の奨学金をはじめ各種奨学金制度を導入したり、銀行や日本政策金融公庫による学資ローンを用意。こうした学費支援を利用することで、学費が1,000万円以下にできる大学もあります。「私立は経済的に無理…」とあきらめる前にぜひ志望校の支援制度をチェックしてみてください。
私立医学部でも特待生制度が増えている!
私立が抱える経済的なハードルを解消し、1人でも多くの優秀な医師を育成することを目的に、最近は私立医学部の間で「特待生制度」を導入する大学が増えています。特待生制度というのは入試の成績上位者を対象に、授業料を半額または全額免除するというシステム。大学によって条件や金額は異なりますが、6年間の負担額が国立並みに抑えられる大学もあります。
例えば6年間の学費総計が2,080万円の順天堂大学では2種類の特待生制度を導入しており、A特待生に選ばれると6年間で最大1,880万円の学費を減免。B特待生に選ばれると、初年度の授業料・施設設備費計90万円が免除されます。A特待生に選ばれた場合、6年間の学費は200万円ほどになります。
また北里大学では第一種、第二種特待生が選ばれ、第一種特待生に選ばれると入学金、授業料、施設設備費、教育充実費が全額免除されます(第二種は一部免除)。第一種特待生になれば、4,000万円近い学費が全て免除されることになります。
私立医学部の学費まとめ
参考として、私立医学部の初年度納入金をまとめました。
※「全国医学部 最新受験情報2016年度用」参照
大学名 | 初年度納入金 | 大学名 | 初年度納入金 |
---|---|---|---|
岩手医科大学 | 9,000,000円 | 東北医科薬科大学 | 6,500,000円 |
自治医科大学 | 4,600,000円 | 獨協医科大学 | 10,300,000円 |
埼玉医科大学 | 8,820,000円 | 杏林大学 | 10,050,700円 |
慶應義塾大学 | 3,793,350円 | 順天堂大学 | 2,900,000円 |
昭和大学 | 5,322,000円 | 帝京大学 | 8,924,090円 |
東京医科大学 | 7,568,700円 | 東京慈恵会医科大学 | 3,500,000円 |
東京女子医科大学 | 8,901,000円 | 東邦大学 | 4,800,000円 |
日本大学 | 6,420,000円 | 日本医科大学 | 5,450,000円 |
北里大学 | 9,438,000円 | 聖マリアンナ医科大学 | 7,217,000円 |
東海大学 | 6,473,200円 | 金沢医科大学 | 11,943,000円 |
愛知医科大学 | 9,500,000円 | 藤田保健衛生大学 | 7,496,000円 |
大阪医科大学 | 6,600,000円 | 関西医科大学 | 5,700,000円 |
近畿大学 | 6,804,500円 | 兵庫医科大学 | 9,025,000円 |
川崎医科大学 | 12,015,000円 | 久留米大学 | 9,313,000円 |
産業医科大学 | 6,122,800円 | 福岡大学 | 9,626,710円 |