高校生活や部活動が一番充実してくる高2の1年間。入学から長い受験期までの中だるみの時期にもあたり、モチベーションを維持して自己学習を続けていくのが難しくなる傾向にあります。しかし周囲が気を抜いているからこそ、ひとり努力した自分が報われるのもまた事実。高2の1年間で気を抜かずしっかりと学習を継続できれば、学習面はもちろん、受験へ向けての意識作りの面でも大きな飛躍となるはずです。
高校2年生は受験に挑む土台を作る時期
医学部受験は非常にハイレベルな戦いゆえに、どうしても応用力や知識量ばかりが取り沙汰されがちです。しかし、やはり最後に合格を勝ち取るのは基礎の部分をとことん極めた人だけ。
基礎は実際の受験において、思考力・応用力・スピードなど全ての要素のコアとなります。高3になると過去問や演習問題をメインでこなしていかなければならないため、基礎を増強できるチャンスは高2が最後。受験のための大切な土台作りとして、気を抜かず取り組んでいきましょう。
英語と数学は最優先!2年生までに基礎を完璧にしよう
高2は部活動でも主戦力となる時期ですから、まだ受験モードに切り替えられない方も多いでしょう。そんなときも、英語と数学だけは最低限完璧にしておくことをおすすめします。この2科目はあらゆる科目のなかでも群を抜いて基礎力がモノを言うため、高3に入ってからの急激な追い上げには期待できないからです。
今の自分のレベルと合格レベルの差を常に意識して、小単位での目標を設定し学習に取り組んでみてください。志望校の情報収集もこの時期から始めておきましょう。
先取り学習は落とし穴になるかも
医学部志望を早期に決心したとき、高1~高2までに高校3年間の全ての学習内容を先取りしてしまおうと考える人も多いようです。確かに先取り学習にはメリットがたくさんありますが、一方で思わぬ落とし穴も。
先取り学習にばかり気を取られて現在進行中の授業がないがしろになったり、先取りした内容が授業や課題として出てきたときに「もう知っているから」と適当に済ませてしまったり。結果として、学習が不完全なままになる可能性も秘めているのです。
基礎固めをしつつ過去問にも目を通してみよう
高2は基礎の仕上げと同時進行で、そろそろ過去問にも取り組みたい時期です。過去問はただ解いて答え合わせをして、自分の実力でどれくらい得点できるのかを漠然と知るためのものではありません。「学んできた内容がどのような形で出題されるのか」「どれくらいの難易度なのか」を知り、志望校で必要とされているレベルを具体的に把握するためのものです。
過去問に目を通せば、自然と今の自分にまだ足りないものが見えてくることでしょう。
科目別勉強法
医学部を目指す高2向けの勉強方法を科目別に解説します。
英語の勉強法
高1のうちにある程度の基礎固めに手をつけていれば、すでにかなりの単語力と読解力が身についているはずです。高2からは今までの基礎学習を継続しつつ、センター過去問などにチャレンジしてみましょう。限られた時間内で問題に取り組むためのカンを鍛えていきます。
高2の秋頃に、センター過去問で8~9割を安定的に得点できるようになっていれば、いい流れと言えそうです。また、二次対策として医療系の英単語にもそろそろ目を向けていきましょう。
数学の勉強法
高2の数学については、高1のときと同じく「量をこなす」ことを第一に考えてください。今後の学習計画に十分な時間的余裕を作るため、学校の授業で数3・数Cの授業に突入する前に、数1~2、A~Bの内容を完璧にしておきましょう。
そのためにも学校や塾で配布された問題集を何度もやりこんで、公式や出題パターンを頭に叩き込んでおくこと。初見の問題をひと目見てから、解法をひらめくまでのスピードが着実にアップしていくはずです。
国語の勉強法
理系科目のボリュームが増大し、国語を後回しにしてしまう人も出てくる時期です。しかし現代文の学習は、長期的に継続してこそ効果が維持できるタイプのもの。定期テストや模試の前だけ集中的に勉強するよりは、本を読む程度で構わないため毎日少しでも多く文章に触れておくことが望ましいでしょう。
演習では、特に記述問題の間違えた部分について「なぜこのような解になるのか」を納得いくまで質問し、論理的思考のセンスを養います。
理科の勉強法
化学・物理・生物の学習法について、高2までの段階では「教科書レベルの基本的な公式や知識を盤石にすること」が全てです。逆の言い方をすれば、教科書レベルの内容を完璧なレベルまで完成させるためには、ほかの勉強に手を出している時間はほとんどないはずなのです。
どんなに複雑な問題も、教科書レベルの基礎を応用して解くことができます。高1・高2で覚えた知識を脳内に完全に定着させ、いつでも必要なときに使えるよう磨いておくことが肝心です。
社会の勉強法
受験勉強本番の高3になると、得点配分の小さい文系科目にはあまり時間を割くことはできません。とにかく暗記量が多いため、医学部レベルの得点力を養うには高1~高2時点でコツコツ努力して、知識を定着させておくしか道はないのです。
幸い理系科目を重点的に学ぶ医学部受験生にとって、歴史や地理の勉強はある意味で良い気分転換になります。自己流でノートや地図帳をまとめる、興味が持てる面白い解説書を読むなどして、楽しみながら学習を続けてみてください。
まとめ
高2は、受験勉強本番となる高3で大きくジャンプするための助走の1年です。部活動と勉強との両立がもっとも大変な時期でもありますが、学習習慣だけは必ず継続するよう努力しましょう。どうしても時間が取れないときは、自分の苦手な科目の勉強だけに絞り、得意科目は簡単なおさらいのみに留めるレベルで構いません。医学部合格というゴールから目を離さず、コツコツと学習を続けてみてください。