予備校で勉強する浪人生もいれば、自宅で勉強する浪人生もいます。いずれにもメリット・デメリットがあり、一概にどちらがいいとは言えません。このページでは自宅浪人、いわゆる宅浪のメリット・デメリットを検証。宅浪で医学部に合格するためのポイントについてもご紹介します。
宅浪のメリット
費用がかからない
宅浪の最大の魅力は、お金がかからないことです。自宅で勉強するための教材を大量に購入したとしても、予備校代と比べてはるかに安く済みます。特に医学部を目指す予備校の受講費は高い傾向にあり、100万円~400万円、高いところでは750万円というコースも。大手予備校の医学部コースなら40万円~100万円程度で収まりますが、それでも宅浪よりは高くつくでしょう。
時間を有効に使える
宅浪は1日24時間を自分の好きなように使えます。予備校に通うためには移動時間が必要なうえに、授業に合わせたスケジュールを組まなければなりません。宅浪なら自分のペースで好きなように進めることが可能。もちろん予備校に行くための身支度も必要ないので、起きてすぐに机に向かうこともできます。
宅浪を成功させるのは難しい!
モチベーションが維持できない
宅浪は1日のスケジュールを好きに組めますが、逆に言うとほかの誘惑も多いということです。しっかり自己管理できる人でないと、予定通りに勉強するのは難しいでしょう。他人と交流する機会が減り、精神的に参ってしまう可能性もあります。医学部に合格するという強い意志を持ち、モチベーションを保って勉強しなければなりません。
勉強を教えてくれる人がいない
勉強を教えてくれる人がいないというのも宅浪のデメリット。どうしてもわからないところを尋ねる相手がいません。時間をかければ解決するかもしれませんが、効率よく勉強をこなすことはできないでしょう。学科試験はなんとかなるとしても、医学部入試には面接や小論文があります。これらは他人からのアドバイスを受け、上達するケースも珍しくありません。
宅浪で医学部合格を目指すコツは?
宅浪で医学部に合格するためにはいくつかのコツがあります。先生がいないぶん、本人の心がけが特に重要です。どんなポイントがあるのか、見ていきましょう。
スケジュールを立てて記録をつける
宅浪に必要なのは、綿密なスケジュールを立てることです。ただし、時間を目標にはしないように。たとえ2,000時間勉強したとしても、その内容が薄ければ合格ラインには届きません。具体的には「数学の問題集を20ページ」「英単語を200個覚える」など、勉強量を基準にするのがベター。終わったらどこまで進んだのか、何時間勉強したかを記録しておきましょう。
健康的な生活リズムを維持する
宅浪は1日を自由に過ごせるものの、それゆえだらだらしてしまいがち。1日のタイムスケジュールを決めて、生活リズムを一定に保つ努力は不可欠です。もちろん無理をして夜ふかしをするのもよくありません。早寝早起きを心がけ、3食をきちんと摂取して、健康的な生活を送るようにしましょう。
体を動かす習慣をつける
勉強をするには体力が必要です。長時間椅子に座り、集中して問題を解くのは体に負担がかかるもの。宅浪は特に家に引きこもって勉強するため、運動不足に陥ることもしばしばあります。ストレッチやウォーキングなど、できる範囲で体を動かすようにしましょう。家事を手伝うのもおすすめです。
定期的に模試を受ける
ひとりで勉強をしていると、自分にどれくらいの力がついたのか判断しづらくなります。このとき模試を受けることで、受験生のなかでの自分の位置がわかるとともに、合格可能性も確認が可能。モチベーションを維持するのに効果的です。
これ以外にもアウトプットの練習や、間違えた問題をやり直すことで、苦手をつぶすこともできます。ただし、8月頃までは現役生より浪人生の成績が良い傾向にあることを忘れずに。油断していると現役生に追い越されてしまいます。
小論対策・面接対策は万全に
独学では多くの場合、小論文と面接の対策がおろそかになるため要注意。自分では採点しづらく、インプットだけではなかなか上達しません。出身高校の先生に添削や模擬面接を頼んでみるのもひとつの方法です。それが難しいときは、小論文と面接対策だけ予備校や通信講座を利用してみてください。
自己管理に自信のない人は予備校が確実
宅浪で医学部に合格することも不可能ではありません。ひとりでコツコツと勉強できるタイプであれば、1日1日を有用に使えるでしょう。ただし時間の使い方に自信がない場合、予備校に通ったほうが合格に近づくこともあります。
予備校に通えばモチベーションを維持しやすく、生活リズムが崩れにくいというメリットも。わからないことはすぐに聞けるほか、小論文や面接対策も十分に行えます。自己管理に不安がある方は、一度自分に合いそうな予備校を探してみてはいかがでしょうか。